レッドドラゴンの鳥見旅行記

レッドドラゴンの鳥見旅行記

夫婦二人の個人旅行で世界中をバードウォッチング。

詐欺のような宿

休みの計画はやり直し。

ランカウイは3度目なので日本の寒い時期をゆっくり3週間滞在することに。見つけたのは最近民泊で話題のAirbnbが紹介するVilla Sri Kampungという宿、別荘のキッチン付き1軒家というふれこみでホストの写真は若い夫婦と可愛い子供、立地もクアタウン郊外でグヌンラヤ山の麓と鳥見に良さそうなので予約しました。1ヶ月前に航空会社から便の変更を通知されホストにメールで知らせたのですが、見落としたのか約束された空港への出迎えはなし。レンタカー会社の人が親切に教えてくれたので無事到着しました。
到着して分かったのは写真の若夫婦は関係ない親戚で、ホスト夫婦は年配。夫のChiangはコタキナバルに出稼ぎに行っていて、妻の女性が通いで宿を運営していること。WIFIの環境もなし。更に1軒だけと書いてあったのが実際は同じ形の家が2軒ありました。チェックインすると女性がきて、翌日もう1軒が空くので変わらないかとの話です。全く同じとしか見えませんが、向こうの方が新しくていいとのこと。立地が少し上で木が近く鳥見にいいかと思って同じ条件で移ることにしました。女性の英語はあまり上手ではなくマレー語がすぐ入ります。そこでChiangと必ずメールで内容を確認することにし、車でクアタウンのWIFIが使えるホテルのロビーへ出かけ、翌日3時に移ることになりました。



翌朝はクアタウンの市場に、滞在中自炊もする予定なので下見を兼ねて見学です。



近くで水揚げされた魚や新鮮な野菜が並んでいました♪



Airbnbの決済はゲストからは予約時に徴収、ホストにはチェックイン24時間後に支払う取決めです。3週間分の料金を入手した時からホスト側の態度が豹変しました。我々は早めに戻りましたが3時を過ぎても女性は現れません。掃除していた若いスタッフに連絡をとってもらっても電話に出ないとのこと。そこで軽い荷物を自分たちでバルコニーに運んでおきました。5時近くに現れた女性は悪びれもせず忙しかったと言って部屋へ、しかもこれから部屋の掃除です。戻ってきた若いスタッフの手には見覚えのある手作りの袋、聞くと前の客の忘れた荷物(本当は我々の荷物です)を皆で分けたと。慌てて部屋へ行って荷物を元通りにさせたところ、この女性がいきなり逆ギレ。マレー語で何か叫びながらシーツなどを手当たり次第に放り投げ始めました。話が全く通じないので1時間ほど待ってようやく新しい部屋に落ち着きました。
夕食にクアタウンに出かけChiangにメールで苦情を送るとすぐにお詫びが返ってきました。しかし宿に戻るとバスタオルやせっけんなどあるべきものがありません。更に翌朝、女性は敷地に来ているのに朝食がきません。妻が聞きに行ったところ高い部屋に替えたのだから朝食は出さないとの嫌がらせ、どうやらレンタカーに大型カメラで3週間も泊る日本人からもっと金を引出したかったのでしょう。



この日は鳥見の予定ですがまずはホテルでChiangにメール、問題を直さないならAirbnbをとおして残りをキャンセルせざるを得ないと通告しました。そして妻が貴重品を部屋に置いてきたというので取りに戻り、部屋を出た所に件の女性が血相を変えて怒鳴り込んできました。マレー語に下手な英語が混ざっていて意味不明なので相手にせず我々は鳥見に。夕方再度ホテルでメールを見るとChiangから「申し訳ないが妻がもう泊めたくないというのでキャンセルしてほしい、残りの金額は私がAirbnb経由で戻す」と。WIFIで世話になっているホテルに聞くと部屋があるとのことで早速チェックイン。我々もこの宿にはもう泊りたくないのでその旨メールして宿に戻るとそこには信じられない光景が。
なんと我々の荷物が全てバルコニーに放り出されています。勿論部屋はまだ我々のもので鍵も持っていますが、入れないよう自転車用のチェーンロックをかけている始末。貴重品を持出しスーツケースは鍵をかけておいたのが大正解、ただし冷蔵庫のものは何時間も炎暑にさらされ食べられません。このままいると地元のならず者を雇って襲ってくるのではと身の危険も感じて車でクアタウンのホテルに行きました。



後処理を考えながらも翌日は鳥見(^^; 帰ってくるとChiangからAirbnb経由残額を支払うとのオファー、返信しようとすると既に案件はクローズされたと。返金するだけ良心はあるのかと思っていたら大間違い。経緯をたどると支払いのオファー直後にオファー自体のキャンセルがされているのです、キャンセルを見落とさせ入金をいつまでも待たせる巧妙な詐欺の手口でした。
ここに至ってとうとうこちらもAirbnbに全額返済のクレームをメールします。幸いなことにChiangとのやりとりは全てAirbnb管理のメールで行っていたので証拠は揃っていました。Airbnbの対応は素早く、ホストの行動に対する丁重なお詫びと全額返済の処理を実施した旨責任者のメールが届きました。
後日談があります。Airbnbから評価と口コミを依頼され、クレームした(証拠のある)内容を書いて出しました。日本に帰って件の宿のホームページを見てびっくり。私の口コミにホストが返信した内容は、この客は宿のスクーターを無理やりただで乗り回した、部屋のドアを壊した、更には他の宿でも追い出されたひどい客だ、など事実無根を通り越して荒唐無稽な文章でした。客の印象を言うのは自由ですが事実無根のことを公の場で書かれるのは問題です。反論を出そうかと思ったのですが口コミ・返信の後はコメントできません。もう一度Airbnbに経緯を参照して対応を依頼しました。今度も対応は素早く、ホストとして規定に反した行動で返信は削除しましたとありました。
今回の教訓、民泊というのは宿としての最低限の対応さえできなくても登録すれば営業でき、詐欺のような宿もあることが分かりました。問題が起きてからのAirbnbの対応は非常に良かったですが未然防止は無理でしょうね。クレームのやりとりは口頭・電話だけでなく必ずメールで相手からの返信ももらっていたので事なきを得ました。


2016/01/13,14 Langkawi,Malaysia,OlympusSP100EE